SILVER RUNNING USBケーブルレビュー 埼玉県在住S様
これは良いUSBケーブルに出会った。SILVER RUNNINGのUSBケーブル。
バランス感覚の良さと密度感の高さによる滑らかさに驚かされる。
帯域バランスはフラット傾向で密度の濃厚な中音域を中心に、艶やかさが感じられる。
悪戯にワイドレンジ感を打ち出すことのないナチュラルな音質にチューニングのセンスが光る。
ベースの押し出し感は控えめでAIM UA3 USBケーブルのように誇張することなく高い音階表現で、かつローエンドの伸びは十分で、ベースラインが良く追える。シンバルは小気味良い打点から続く響きの厚み、そして抜けていく残響までの一連の流れがリアルで説得力のある音。
SILVER RUNNINGのステージは横方向に扇状の展開に優れ、後方斜め上までスッと抜けていき、残響の美しさもじっくり味わえる。ボーカルはツイーターとミッドの繋がりが良くなったかのように滑らかで、ハスキーさが目立つようなバックコーラスのソースも耳あたり良く、うまく纏めあげる。
音調はやや暖色系でナチュラル。バイオリンが最も変化量が大きく、艶やかでミネラルウォーターのように瑞々しく、情報量が多く、緊張感のある弦の張りや、細やかで躍動感のある脈々としたビブラートで、奏者の表現力がより繊細に感じられる。また高音域の歪みが少なく、キツイ音は皆無。
手持ちのOrpheus Khloe USBケーブルとも比較したが、オルフェウスは音場の広さは感じられるものの、空間を広げた副作用として音の密度が落ちて粒子状になってしまう。またSN感の良さもSILVER RUNNINGが圧勝だ。そしてOrpheusの音色はクールで爽やかといった印象だが、SILVER RUNNINGのナチュラルサウンドと比べると脚色が目立つ。
SILVER RUNNINGはケーブルとして積極的に音を演出するわけではないので、一聴すると地味と感じるかもしれないが、ずっと聴いていたい、自然に近い音を出す難しさをあっさりと実現してしまっている。濃厚なのにディテールの細かい表現も得意、密度が高いのに抜けがよい、音像は薄くないのに広がり豊かと、いくつもの背反する要素のバランスの取り方に驚かされる逸品である。
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