Silver Running Ultimate Generation 特注DCケーブル レビュー 広島県在住 Y様

私が愛用しているプリアンプCH Precision L1 Dual Monoは数少ないハイエンドプリアンプの中でも非常に評判の高いアンプです。

ゴールドムンドに系譜を持つ陽性のハイスピードアンプとして名前を馳せています。

唯一、残されていた改善としては電源部の分離であり、別売りの強化電源X1を追加して使用していました。

強化電源X1をつけると、明らかにSNが高くなり、力感が増し、芯のある魅力的な音になります。ただ、それらを接続するためのDCケーブルが2mあり、そのケーブルは一目でコストのかかったものでは無いことがわかります。

ここを入れ替えると更に良くなるのではと目論んでいましたが、端子もわからない上に、内部の端子数も19本あります。

ここまでのケーブルを特注で作れるところは皆無であるために、半ばあきらめていました。ただオーディオマニアのサガでしょうか、一度思ったことはやらないと気が済まなくなり、何とか工業用の同じ端子を3か月かけて取り寄せ、Silver Running様に制作を依頼しました。

端子をお預けして2週間、そのケーブルは到着しました。

今までのDCケーブルの外装は、ペラペラで縮んで端子から外れていた安いメッシュスリーブでしたが、特注ケーブルはSilver Running Σシリーズのアルミスリーブで作成いただき、見た目にも大変立派なケーブルとなりました。一応中の19本の端子の接着具合も確認しましたが、一つ一つに収縮チューブで絶縁され、非常に丁寧な仕事に感心しました。

 肝心の出音は付けた瞬間は、拍子抜けするくらいの普通の音でした。

エージングを終えていないとは言え、これはないだろうと3、4日経つと、グングン音が解放されていきました。

まだ試聴には厳しい状態ではありますが、音の解像度、ダイナミックレンジが明らかに広がっています。

Ultimate Generationシリーズの USBケーブルやデジタルケーブルと同様の傾向ですが、プリアンプはそれ以上の改善に効果がありました。

これは成功したと確信しました。Ultimate Generationシリーズは価格の割には非常に高性能ケーブルで、機器の性能を極限まで引き出す事に長けたケーブルと認識しています。

その為、どこかで解像度を落として、色付けをするような機器やケーブル、インシュレーターを入れると、逆に音が硬くなったりするような事を起こすことがあります。

ある意味、上級者向きのケーブルと言えます。(※Ultimate GenerationⅡはもう少し使いやすくなっています。)

ただ使いこなすと、これ以上は無いほどの高解像度で柔軟な音が出るほかに代えがたいハイスピードケーブルです。

 そこから一日毎に音が変化し、納得して聴けるようになるまで2週間、エージングがほぼ完了するまでに1か月かかりました。

やはりDCケーブルは電源ケーブルと違って、エージングに時間がかかるようです。

エージング完了後、元のケーブルと比較すると、プリアンプを買い替えたほどの衝撃的な変化となりました。

電源ケーブルを変えた時も、驚きましたが、それ以上の改善となりました。一言でいうと、私のオーディオは完成した、なんの不満もない状態となりました。

L1+X1に抱いていた少しの不満は、コントラストが非常に高いため少し明るすぎる、輪郭を強める出音にありました。

ただこれは電源ケーブルを含めた解像度を高めたセッティングも影響していましたが、もう少し陰影に富んだ表現ができないか模索していました。

ないものねだりではありますが、Burmester 077+PSUのような落ち着いた音楽に寄り添う、深みのある音もあこがれていました。

ただ、特注DCケーブルに変えたL1はともすれば過度な光を当てたような表現はなりを潜め、非常に落ち着いた表現になりました。

特に低音の表現力は異常なほどよくなりました。これはスピーカーのウーファーの口径が変わったレベルの変化量です。

Silver Runningのアースをつけた時も同じ表現を使いましたが、Magico Q3の小さなウーファーから信じられないほどのフラットに伸びた低音が出るようになりました。

またすべての項目においてレベルが上がり、今まで以上にどんなジャンルの曲にも対応できるようになりました。

音が悪い楽曲をかけても煩くならず、そこそこに聴けるのです。

もう立体感が凄いとか、音像が濃い等の表現では表せない、まさに音楽がそこにあるとしか言い表せない境地に到達しました。

古い名盤も最新の優秀録音もそれぞれの良さを味わうことができるようになりました。私のオーディオの探求の道も、これにて一息つきました。

これからはこれをリファレンスにして、ゆったりと音楽に浸る毎日を過ごしたいと思います。言葉でしか表現できませんが、多くの人に私の感動の一端をお伝えれば幸いです。

Silver Running様には、私の難しい欲求に答えてくださり、誠にありがとうございました。